今日のCD委員会の帰りにカーラジオをつけると、吉永小百合さんの番組でした。
今日は、故宇野重吉さんの110歳のお誕生日だそうで、宇野重吉さん特集でした。
劇団民芸が日活映画と提携を結んでいた縁で、日活のスター吉永小百合さんと劇団民芸の創設者である宇野重吉さんは幾度となく共演されたそうで、その共演ごとの数々の興味深いエピソードを披露されていました。
中でも印象に残ったのが「思えば出る」のエピソードです。
宇野重吉さんがある後輩の役者さんにこうおっしゃったそうです。
「上手にやろうとするな、役の人物を深く思いなさい。この人はどういう人なのだろう、ということを思うのだ。すると、その人が自分の中に入って来て、その人物の思いが客席に伝わるのだ。『思えば出る』。」
実は、私はこの話を朗読の講習会で聞きかじっていて、以来、中学生に朗読の指導をするのに、下手に声色を変えたり、極端な抑揚をつけず、先ず、全文をしっかり読んで自分なりに解釈すること、味わうこと、思うこと。「思えば出る。」を繰り返してきました。
これが俳優宇野重吉の言葉だとは知っていたのですが、今日の今日まで朗読について語った言葉だとばかり思っていました。
それが、俳優に対して芝居のことで発した言葉だったとは。
このような指導に恵まれた俳優さんは誰だろう?
そう思い検索してみると、それは、女優の吉行和子さんで、50年以上も女優を続けてこられたのは、宇野重吉さんの「思えば出る」のひとことのお陰だと感謝していらっしゃるということでした。
「思えば出る」
この演技に対する言葉が朗読にも通じたように、歌にも通じるのではないでしょうか。
コーロサンガでは、歌詞を読みこむようにと、歌詞や解説を頂いているのに、真剣に読んでいない自分を反省しました。
福岡県飯塚市
混声合唱 コーロサンガ
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